自作キーキャップの下型についての考察
はい皆さんこんばんは、@hdbx です。今夜もよろしくおねがいします。
この記事は、自作キーボード Advent Calendar 2018 その3の6日目として書かれました。 adventar.org
(L2K ADAPTERSの話の続きですので、まず↓をお読みください)
キーキャップを作っている過程において、避けて通れないもの
気 泡
L2Kで作った上型と下型を使って、UVレジンでキーキャップをつくるときって、そのまま貼り合わせるとガンガン気泡ができるんですよね。
「気泡は個性」とか言って強がってた時代もあったのですが、やっぱり余計な気泡は無いに越したことはない、というのが真っ正直なところなのです。
また、粘度のあるUVレジンはいいとしても、シャバシャバとした2液レジンを扱おうとすると、やはり塗ってから上型と下型合わせるのではなくて注型、つまり注ぎ入れるやり方でないと、貼り合わせのときに流れてしまうので、キーキャップが作れないわけであります。
そこで今回は気泡が入りにくくて注型できる型について考えます。
試行1:型取り後に穴を開ける
上型は、通常のキーキャップにせよArtisanキーキャップにせよ、なめらかだったり造形されてたりするので、そこに注ぎ入れるための湯口を作るというのは現実的ではありません。*1そうなると、キーキャップの上下を逆にした状態の型に、上から注ぎ入れることが必要です。
上下逆の状態で上から、ということは、つまり下型に「穴」が必要ということになりますよね。
ということで最初に試したのは、 この方法で、キーキャップの側面についてはうまく気泡を入れないように作ることができました。(この写真は完全に失敗してますが)
しかし、ハンドリューターで開けた穴は、すべすべ滑らか真っ直ぐな円柱にはなっておらず、型から抜くときにやや無理抜き気味の抵抗がありまして、型の寿命を縮めそうでした。また軸受けについても同様に湯道があるほうが良さそうということもわかりました。
試行2:先に湯口と湯道を確保してシリコン型を作る
きれいな湯口と湯道を実現するには、やはりシリコン型を作るときに準備しておかねばならないようだな……
そう思った私は、おもむろにプラモ製作材料庫から、プラストラクトの1.5mm六角プラ棒、というマイナーなものを見つけてきて、それを原型用のマスターキーキャップにエポキシ接着剤でくっつけたのでした。 これが結果的にはいい感じでした。まぁ、海外のキーキャップ作ってる動画とか見てると同じ感じのが割と多かったりするので、メジャーなメソッドなのかもしれないんですが……
こちらは上のものとは違う型で、もう少し湯口を広くしたほうがいいのかも、と思って1箇所だけ3mmの丸プラ棒にして作ったものです。 3mmはちょっと太すぎたようで、粘度があるUVレジンなどはいいのですが、ハイキャストのようなシャバシャバの液体を注型するときは、ちょっと途中で注ぐ勢いを緩めると途端に気泡が混じってしまったりしました。今は2mmの丸プラ棒を使っています。
2液レジンをキーキャップ型に注入している動画です pic.twitter.com/WEw7NUZq0E
— はなぶさ (@hdbx) 2018年12月5日
キャスト後の整形
以上のような方法でつくったキーキャップの仕上げ方法です。
余分をデザインナイフでカットして……
底面を平ヤスリやスリスリBARできれいに均して……
※スリスリBAR最高にオススメです
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はいできあがり!
とまあこんな感じで、楽しい自作キーキャップライフを送っております。
気付けば今年も残りはあと僅か。来年も楽しい自作キーキャップライフを送りたいものだと思いつつ……
「この記事はIris (Aliaz Silent Tactile w/GMK Plum and Nillpo Cable)で書きました。」
*1:やってやれないことはないと思いますが、キャスト後の処理が大変そう