届かなかったBluetooth Speaker

この記事は「届かないクラウドファンディング Advent Calendar 2018」12月15日版のために書かれました。

adventar.org

え~、Bluetooth Speakerです。

Amazing sound quality via Bluetooth +KNOB

www.kickstarter.com

今となっては珍しくもないBluetoothスピーカー。昨年頃からはAIスピーカーとか言っちゃって、さらに機能的になったりなんかしちゃったスピーカーがそれこそ数千円で手に入るという現状ではあります。
しかし、私がこのプロジェクトをバックした2011年頃には、まだまだ世の中にBluetoothでもって遠隔で音声を飛ばして再生するというスピーカーは珍しかったんです。

そしてこのスピーカーにはオリジナルの他に、上位バージョンの「The +KNOB Anaconda」という、Bambooのハウジングを採用し、正面には獰猛な牙を生やしたアナコンダのイメージが入ったグリル、というなんとも中二心溢れるパッケージが用意されていたわけで……*1

もう出資しない理由が見当たらないじゃないですか!?

その後の出来事

2011年 11月

Anacondaを1台手に入れるべく、$240ほど出資しました。まあ当時のUSD/JPYは78円くらいでしたからね。2万円ほどですね。

出荷予定は2012年の1月です。もうワクワクです!!

2012年 1月

12月、1月と1週間に1度程度の頻繁なアップデートがあり、そこそこ順調に生産が進んでいる様子を報告してくれていました。
しかし1月27日にありがちな良いニュースと悪いニュースについてのアップデート。
ハムノイズが定常的に発生している、と。ずっと低周波ノイズがのってるスピーカーなんて嫌です。

2012年 2月~9月

2週間に1度程度のアップデートで、小さな問題(minor issues)があるけれど、生産に向けて準備しているよ、という内容。
つか、1月発送予定なのにバッチリ遅れてるんですけど!?まだ生産してないの?という状況です。

お決まりの中国の工場との生産スケジュールの折衝が難航している、仕上がった試作品に新たな問題が見つかった、との情報。
……お前、モノ作りなめてるだろ?

2012年 10月~12月

ようやくオリジナルスピーカーの生産が終わったとのことで、オリジナルの出荷が開始されました。
Anacondaのバンブーハウジングは苦戦しているそうな。

2013年 1月

オリジナルスピーカーがバッカーの元に届きましたが、音が途中でカットアウトされたりミュートされるという問題があったそうで返品が開始されました。
一部の部品がはんだ付けできてなかったそうな。
これまったく品質管理されてないんじゃないの、という……お前やっぱモノ作りなめてるだろ?
月末にはオリジナルスピーカーの再出荷の案内がありました。Anacondaの音沙汰なし。

2013年 3月

ひと月開けて久しぶりのアップデート。
資金がショートしていることと、AnacondaのBambooハウジングのベンダー(材木屋)に電話を無視されているという内容でした。
もう大体察してます。

2013年 4月

Anacondaのハウジングのベンダーに会いに材木店に行ったが逃げられた、というハートウォーミングもといスラップスティック・コメディもとい、どうでもいいエピソードが語られました。
それが最後のアップデートとなりました。

そして絶望だけが残った。

まとめ

最初はやる気あったんだと思うんですけどね。度重なる不具合と信頼できない材木屋と工場と目減りしていく資金……ハードウェア作るって本当に大変なんですよ。

流石にもう夢が覚めて5年も経過していますので、気付けばUE BOOMやらSonyのSRS-X55やらGoogle Home miniやら、Bluetoothスピーカーが複数手元にある状況です。
この数年で本当にいろんなメーカーがいろんなワイヤレススピーカーを世に送り出してきました。
でも、Anacondaを超える魅力的なデザインのスピーカーは見たことがないので、やっぱり欲しかったなぁー。

ま、とりあえずこの記事で供養できました。な~む~。

*1:残念ながらAnacondaの写真は見つかりませんでした……